行政書士緒方法務事務所

運送業の更新制で慌てないために知っておきたい手続きと注意点

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運送業の更新制で慌てないために知っておきたい手続きと注意点

運送業の更新制で慌てないために知っておきたい手続きと注意点

2026/06/18

一般貨物自動車運送事業の許可については、これまでは一度許可を取得すれば、原則として有効期限を意識せずに事業を継続することができました。しかし、今後は法改正により、運送業許可についても5年ごとの「更新制」が導入される予定です。そのため、これからは「許可を取ったら終わり」ではなく、許可取得後も継続して法令を守り、許可要件を維持しているかが、より重要になります。一般的に「更新」と聞くと、免許証のように期限が来たら手続きをするイメージがあります。しかし、運送業許可の更新制では、単に書類を提出すればよいというものではなく、運送事業者が現在も適正に運送事業を行える状態にあるかが確認されることになると考えられます。たとえば、営業所や車庫の使用権原が確保されているか、必要な車両台数を満たしているか、運行管理者・整備管理者が適切に選任されているか、点呼や日報などが適正に行われているかといった点が重要になります。また、営業所、車庫、車両、役員などに変更があった場合には、これまでどおり事業計画変更認可申請や事業計画変更届出が必要になります。更新制が始まった後は、こうした変更手続きの漏れが、更新時の確認で問題となる可能性もあります。そのため、今後の更新制に備えるためには、日頃から許可内容と実際の状況が一致しているかを確認し、必要な手続きを早めに行っておくことが大切です。

目次

    更新制導入後に確認されると思われる主なポイント

    運送業許可の更新制が始まった場合、確認される中心は、許可取得時と同じように「安全かつ適正に事業を継続できる状態が保たれているか」という点になると考えられます。許可を取得した後、長年事業を続けていると、営業所、車庫、車両、人員体制などが当初の申請内容から変わっていることは珍しくありません。そのため、まずは現在の実態と、過去に運輸局へ提出した内容が一致しているかを確認することが重要です。特に確認しておきたい項目は以下のとおりです。

    ・営業所の所在地や使用権原
    ・車庫の面積の増減、移転、増設、営業所からの距離の変更
    ・保有車両の台数や車検証の内容
    ・運行管理者、整備管理者の選任届出状況
    ・社会保険、労働保険の加入状況
    ・点呼記録簿、運転日報、事故記録簿、車両点検記録の管理状況
    ・事業報告書、事業実績報告書の提出状況
    ・行政処分や監査指摘への対応状況

    これらは、日常業務のなかで変更が起きやすい部分です。たとえば、車庫を移転した、車両を減らした、運行管理者・整備管理者が退職した、営業所の賃貸借契約を更新していなかった、事業報告書・事業実績報告書の提出を忘れていたといった場合、更新時に問題となる可能性があります。小さな変更だと思っていても、運送業許可では重要な管理項目になることがあります。更新制が始まってから慌てるのではなく、今のうちから自社の許可内容と実際の運営状況を見直しておくことが大切です。また、書類上は問題がないように見えても、実際の運用が伴っていなければリスクがあります。点呼記録、運転日報、運行指示書、車両点検記録などは、安全管理体制を確認するうえで基本となる書類です。更新のタイミングだけ整えるのではなく、普段から継続して管理しておくことが、今後の更新制への備えになります。

    更新制導入後にトラブルになりやすいケース

    運送業許可の更新制が始まった場合、特にトラブルになりやすいのは、「変更があったのに必要な手続きをしていなかった」というケースです。運送事業を続けていると、車両の入れ替え、人員の変更、営業所や車庫の移転、役員変更などは珍しくありません。しかし、その都度必要な手続きを確認せずに進めてしまうと、更新時に過去の未手続きが明らかになり、対応に時間がかかる可能性があります。よくある例として、営業所や車庫を移転したにもかかわらず、事業計画変更認可申請をしていないケースがあります。営業所や車庫は、運送業許可の根幹となる重要な要件です。場所を変更する場合には、土地建物の使用権原だけでなく、都市計画法、建築基準法、農地法、前面道路の幅員などが関係することがあります。単に「借りられる場所が見つかった」というだけでは、運送業の営業所や車庫として使用できるとは限りません。次に注意したいのが、運行管理者や整備管理者の変更です。運行管理者や整備管理者が退職した場合には、後任者を適切に選任し、必要な選任届出を行う必要があります。管理者が不在のまま運行を続けていると、安全管理体制に問題があると判断される可能性があります。また、車両台数の減少にも注意が必要です。一般貨物自動車運送事業では、一定の車両台数を前提として許可がされています。車両を減らした結果、基準を下回るような状態になっていないか、事前に確認しておくことが大切です。さらに、事業報告書や事業実績報告書の提出漏れも注意点です。毎年必要な報告を怠っていると、更新時や各種手続きの際に不利な事情として見られる可能性があります。今後の更新制では、申請書類だけでなく、日頃から適正に事業を運営しているか、法令遵守の姿勢があるかも重要になると考えられます。

    専門家に相談するメリットと早めの準備の大切さ

    運送業許可の更新制が始まると、事業者は一定の時期ごとに、自社が現在も許可要件を満たしているかを確認する必要が出てきます。もちろん、自社で確認できる部分もあります。しかし、営業所や車庫の移転、車両台数の変更、管理者の変更、役員変更、過去の届出漏れなどが重なっている場合には、どの手続きが必要なのか判断に迷うことも少なくありません。そのような場合は、運送業許可に詳しい行政書士などの専門家に相談することで、手続きの漏れや書類不備を防ぎやすくなります。専門家に相談するメリットは、単に申請書類を作成してもらえることだけではありません。現在の事業内容が許可要件に合っているか、過去に未提出の届出がないか、今後予定している変更にどの手続きが必要かを整理できる点が大きな利点です。特に、営業所や車庫に関する変更は、契約前の確認が重要です。契約後に「運送業の営業所や車庫として使えない」と分かると、費用や時間のロスが大きくなります。場所を借りる前に、運送業許可の要件を満たすかどうかを確認しておくことが大切です。今後の更新制に備えるためには、次のような準備を日頃から行っておくと安心です。
    ・変更が発生したら、すぐに手続きの要否を確認する
    ・営業所や車庫の契約書、使用承諾書を保管しておく
    ・車庫の面積、前面道路、営業所からの距離を確認しておく
    ・運行管理者、整備管理者の資格者証や選任届出の状況を整理する
    ・車両台帳、点呼記録、運転日報、事故記録簿を継続して管理する
    ・車両点検記録や整備記録を整理しておく
    ・社会保険、労働保険の加入状況を確認する
    ・毎年の事業報告書、事業実績報告書の提出を忘れないようにする

    運送業許可は、取得して終わりではありません。今後、更新制が導入されることを前提に考えると、許可取得後の管理体制がこれまで以上に重要になります。更新時に慌てないためにも、普段から許可内容と実際の運営状況を確認し、必要な手続きを早めに進めておきましょう。安心して運送事業を続けるためには、法令遵守と書類管理を日常業務の一部として行うことが大切です。

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